
Image by: L'Oreal
ロレアル(L'Oreal)グループが、パリで開催された世界最大級のテックイベント「ヴィバ テクノロジー(Viva Technology)」で、米半導体大手「エヌビディア(NVIDIA)」との協業を発表した。ビューティに関するさまざまな分野でAIの可能性を引き出し、革新的なビューティ体験の創出を目指す。
協業を通じ、ロレアルグループおよびパートナー企業群は、「エヌビディア AI エンタープライズ プラットフォーム(the NVDIA AI Enterprise platform)」を活用し、AIの迅速な開発?展開を推進すると発表。ロレアル製品の3Dデジタルレンダリングの拡張により、物理AIと生成AIを融合させるなど、創造性をさらに広げていく。
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ロレアルグループのチーフ デジタル&マーケティングオフィサーを務めるアスミタ?デュベイ(Asmita Dubey)は、「我々は、創造性とテクノロジーを用いて、ほかに類を見ない顧客エンゲージメントの実現に寄与することに焦点を当てている。生成AIやエージェンティックAIといった変革的技術が、消費者の期待を再定義している中で、エヌビディアとの協業により、AIの可能性を最大限に活用し、消費者の夢を実現できることを楽しみにしています」と述べた。
エヌビディアのリテールおよび消費財担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのアジータ?マーティン(Azita Martin)氏は、「生成AIは、デジタルインテリジェンスとアジリティを企業にもたらしている。エヌビディア AI エンタープライズを活用することで、迅速なイノベーション、スケーラビリティ、パーソナライズされたマーケティングや広告の展開が可能となり、消費者エンゲージメントとコンバージョンの向上が実現できる。AIの可能性を最大限に引き出し、よりシームレスで価値のあるビューティ体験を提供していきます」とコメントした。
ロレアルとエヌビディアは既に2つのプロジェクトを進めている。ロレアルグループの生成AIコンテンツプラットフォーム「クリエイティック(CREAITECH)」は、ロレアル製品の3Dデジタルレンダリングを開発?活用し、マーケティングや広告キャンペーンの創造性と開発速度の向上を図る。エヌビディア AI エンタープライズ プラットフォームを使用して3D技術のスケーリングを図り、創造性、品質管理、生産のスケーラビリティを強化する。製品の3Dレンダリングと生成AIとの組み合わせによって、創造性豊かで大規模に展開可能なキャンペーンを実現し、SNS、EC、インフルエンサーマーケティングを通じた消費者とのエンゲージメントを高める。
また、ロレアルグループが設立?支援する世界初のAI搭載マルチブランドマーケットプレイス型スタートアップ「ノリ(Noli)」は、同社のビューティテックや消費者インサイトの豊富なデータを活用し、AIビューティマッチメーカーとして機能。100万件を超える肌データや数千種類の製品処方をもとに構築されたAI診断とツールを使用し、ユーザーごとのビューティプロフィールを解析、最適な製品を提案、宅配する。加えて、エヌビディアとアクセンチュアがエヌビディア AI エンタープライズ ソフトウェアを活用し、マイクロソフト アジュール(Microsoft Azure)上で利用可能なAIリファイナリーを開発。AIリファイナリーはノリにとって、進化を続けるAI環境と急速に変化する消費者ニーズに応える、迅速な実験、責任あるAIの開発と展開を可能にする。ビューティ製品の探し方や購入方法といった購買体験の大規模な変革を狙う。
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