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国内主要百貨店6社(三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店、松屋、近鉄百貨店)の2025年7月度の既存店売上高をレポート。月後半から改善傾向が見られるも、同月は前年のインバウンド活況による免税売上高の大幅伸長の反動で、各社ともに引き続き前年を下回る結果に。一方で、例年より早い梅雨明けと猛暑により、国内客の間では夏物衣料品や雑貨の売れ行きが好調だった。
※売上増減率は各社いずれも速報値を参照。
※売上は収益認識基準ではなく従来の総額売上高で開示。

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三越伊勢丹:5.2%減
三越伊勢丹の7月度売上高は、前年同月比5.2%減で着地。前年は月別の免税売上高歴代4位と高水準の月であったこともあり、免税売上高は引き続き前年を下回ったものの、月末に向けて改善傾向にあったという。一方、エムアイカード会員とアプリ会員による顧客識別化が順調に進んでいる国内顧客売上高は、首都圏を中心に堅調に推移した。
店舗別では、伊勢丹新宿本店は同7.3%減、三越銀座店は同7.6%減と、免税売上比率が高い基幹2店舗では先月に続きマイナスとなったものの、三越日本橋本店は1.1%増と好調だった。
国内客には、エムアイカード会員、アプリ会員、デジタルID会員を合計した「識別顧客」を中心に、引き続き高付加価値商品への関心が継続。ラグジュアリーブランドの2025年秋物アイテムが好調に推移した。また気温上昇に伴い、カットソーやブラウス、パンツ、化粧品などのUV?美白アイテムなどの需要が増加したという。
髙島屋:3.8%減
髙島屋の7月度の国内百貨店既存店売上高は、前年同月比3.8%減で着地。前年が2023年対比で82.9%増と、高伸長を見せた免税売上高が同33.0%減と苦戦したものの、免税を除いた店頭売上高は1.6%増とプラスで推移した。
夏物衣料?雑貨や宝飾品が堅調に稼働したことにより、国内客の売上高は前年実績を達成。しかし、インバウンド客へのラグジュアリーブランドをはじめとした高額品売上のマイナスが響き、店頭売上高全体を押し下げる結果となった。
店舗別では、免税売上比率が低い玉川店(同4.9%増)、EC店(同7.5%増)が先月に続き前年実績をクリアしたが、その他店舗は全て前年割れとなった。商品別では、宝飾品と食堂が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店:0.6%減
大丸松坂屋百貨店の7月度は、前年同月比0.6%減で着地。外商売上が好調に推移し美術や時計などが前年実績を上回ったが、クリアランスセールの売上縮小や免税売上高の大幅減(同30.1%減、客数同3.1%減、客単価同27.8%減)が影響し、前年を下回る結果となった。
店舗別では、免税売上が好調な大丸梅田店(同8.4%増)や、改装を行った松坂屋名古屋店(同2.1%増)をはじめ、13店舗中5店舗が前年実績をクリアした。
免税売上高は、化粧品を中心とした消耗品は好調に推移したものの、ラグジュアリーブランドを含む一般品の客単価が低下し、前年を大きく下回った。
阪急阪神百貨店:8.8%減
月中旬以降やや改善傾向が見られたものの、高い前年実績の反動により、免税売上高が前年対比で約4割減と3月以降苦戦が継続。7月も阪神梅田本店を除く都心店の売上高が前年を下回り、阪急阪神百貨店全体の売上高は、前年同月比8.8%減となった。一方、全店的に食品の売上は引き続き安定的に推移し、郊外店の売上高合計は前年実績を上回った。
6月に続き好調だった阪神梅田本店は、同7.5%増で着地。5月の改装で導入したファッションブランドや大型専門店が順調に推移し、ファッションとライフスタイルカテゴリーの売上高が前年の約2割増、店舗全体としても売上高が同約1割増と好調だった。
お中元商戦は、マーケットの縮小傾向によりビールや飲料、そうめんといった夏の商材が苦戦。アイスデザートを充実させたケーキ宅配や、果物を用いた涼を感じる和洋菓子などの商品は好調に推移したものの、全体としては前年実績を下回った。
阪急うめだ本店では、免税売上高の約4割減に加え、来春の全館リモデル改装による売場閉鎖の影響により、店舗全体の売上高が前年同月比13.4%減と苦戦。一方、梅雨明け以降の猛暑によって盛夏商材の需要が高まり、機能性とデザイン性の高いパラソルや帽子が好調だったほか、化粧品では美容液の売上が大きく伸長。また婦人衣料品では、6月下旬から追加投入した盛夏アイテムや4階で実施したイベントが奏功して定価商材が売上を牽引し、前年の売上高を上回った。
松屋:25.7%減
7月の松屋の売上高は、記録的円安により前年対比約4割増と過去最高の伸長を見せた前年実績の反動により、前年同月比25.7%減で着地。同26.3%減となった銀座店は、昨年の免税売上高が2023年対比で約115%増と過去最高値を記録した影響で、大きく数字を落とした。
昨年売上を牽引した免税売上高は、同約42%減と大幅なマイナスを記録。免税を除いた国内客売上高も、猛暑などの影響で入店客数が前年を割り、同7%減と厳しい結果に終わった。
近鉄百貨店:3.4%増
近鉄百貨店は、百貨店事業全体の売上高が前年同月比3.4%増と、6月に続き好調に推移。一方、あべのハルカス近鉄本店は、前月にオープンした菓子売場のリニューアルにより食品の売上は堅調だったものの、前年のインバウンド活況の反動が大きく同7.4%減となった。
商品別では、連日の猛暑の影響により、帽子やグローブといったUV対策商品が好調に伸長。婦人服ではプロパー品の販売強化に取り組み、接触冷感などの機能性素材のTシャツやパンツを中心に、盛夏アイテムの売上が前年実績を大きく上回った。
大阪?関西万博オフィシャルストアは、あべのハルカス店、万博会場内店舗ともに、先月に続き目標を大きく超える売上で推移しているという。
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