
Image by: FASHIONSNAP

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コミュニティースペースからスタートし、20代の若者を中心に人気を集めた「サノバチーズ(SON OF THE CHEESE)」。同ブランドでは、創業者で当時デザイナーを務めていた山本海人氏が2024年5月に死去。山本氏の求心力も相まって人気を確立してきたブランドだけにその影響力は想像に難くなく、デザイナー不在後の活動に注目が集まっていた。訃報から1年半、ブランドの2026年春夏コレクションの展示会を訪れ、現在地を聞いた。
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同ブランドは、山本氏が設立したトレーラーハウスとスケートプールが隣接したコミュニティースペース「サノバチーズ」が発展して2013年にスタート。「東京発、不良っぽさと上品さを兼ねそなえたカルチャーブランド」としてカジュアルなメンズ?ウィメンズウェアを展開してきた。山本氏が死去してからは、同氏の妻のローレン?ローズ?コーカー(Lauren Rose Kocher)氏がブランドを束ねている。

サノバチーズを束ねるローレン?ローズ?コーカー氏
「海人(山本氏)が亡くなってブランドまで畳んでしまったら、彼の生きた証が1つこの世から消えてしまう」とブランドを継続させることを決意したローレン氏だったが、死去から1年は苦難の日々が続いた。「海人は元気なうちから、ゆくゆくはデザインを後進に譲るといって準備をしていた」(ローレン氏)というが、当時のチームメンバーは山本氏が亡くなってしまうとブランドを去り、ローレン氏一人だけになってしまった。「最愛な人を亡くした直後だったのでメンタル的にもかなり厳しく、1ヶ月くらい家から出ない時期もあった」(同)という。しかしその後、なんとか再起し新メンバーを募ったところ、ブランドの世界観に共感した若者が集結。メンバーの多くは25歳以下で、男女合わせて4人のチームでブランドを運営している。



クリエイション面では、かつて山本氏がデザインし人気を集めたアーカイヴをローレン氏が中心となってアップデートし、新作の発表を継続している。ユニセックスで打ち出しており、メインのターゲット層は変わらず20?30代。構成はメンズが8割、ウィメンズが2割ほどだという。「海人の友人たちも今でもよく遊びにきて、小物やソックスを買ってくれるけど、そことは全く違う若い世代のお客さんも増えている。良い意味で顧客の新陳代謝が進んでいる」(ローレン氏)。今後はブランドとの協業などを通して、認知の拡大を図る。



12月1日には、店舗に併設する形でカフェ業態「CARRY ON KOFFEE」をオープンする。「coffee」の頭文字を「K」にすることで、「海人の意思を継承する」という意思を込めた。メニューはドリンク類からスイーツまで豊富に取り揃える。ローレン氏は「ブランドの服を見にきてくれた人がリラックスできる空間にできたら」と狙いを語る。山本氏の想いを継承しつつ、ブランドとして新たな一歩を踏み出しているサノバチーズ。チームメンバーと楽しげに笑い合うローレン氏の目は、すでに未来に向いている。




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