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ベイクルーズのセレクトショップ「シティショップ」が10周年 ディレクター交代やコロナを越えて見出した“ここにしかない価値”

 ベイクルーズのセレクトショップ「シティショップ(CITYSHOP)」が10周年を迎えた。今月から6月にかけて同ショップのバイヤーの片山久美子が企画した別注商品や一点物を多数投入し、アニバーサリーイヤーを盛り上げている。

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 シティショップは2015年12月に誕生。人気デリカテッセン「パリヤ(PARIYA)」のオーナー(当時)で、東京のファッションシーンの活性化に貢献してきた吉井雄一をクリエイティブディレクターに起用し、ファッションやフード、カルチャーの新しいスタンダードを形作った。オープン当初はデリカテッセンが特に人気を博し、翌年にはヌードルに特化した「シティショップ?ヌードル(CITYSHOP NOODLE)」を派生オープンするなど、ファンを着実に増やしていった。

 “吉井の弟子”であったという片山は2016年にシティショップに参加。のちに片山の一人ディレクター体制がスタートした。開始2?3年は「迷走していた」という。「憧れの人が作ったものと、30代半ばである私が作りたいもの。そして、シティショップが他のセレクトストアとどう差別化を図り、ファンをつくっていくか。その“芸風を極める”のに少し時間がかかってしまった。当時のスタッフに『シティショップはどんなお店か』と聞いても、きっと一人ひとり違う景色を描いていたと思う。私のディレクションが未熟で、明確なヴィジョンを共有できていなかった」(片山)。

 市場調査や顧客ニーズを起点にしたマーケットイン型の商品企画を行っていた時期もあったが、ある時、片山はひとりのスタッフに言われた、「片山さん、これ着るんですか?」という投げかけから、思考を大きく変える。「お客さまに対しても、スタッフに対しても、なんて失礼なことをしていたんだろうと目が覚めた。その日を境に、私が1000%の愛情を注げるもの、その価値を信じて自信を持ってお客さまにおすすめできるものしか置かない、と心に決めた」。それからは、デザイン性だけではなく、作り手の哲学やストーリー性もセレクトする上で欠かせない要素になり、いまのシティショップの核にもなっている。取引先には無名なアーティストやブランドも名を連ねるが、「クロ(KURO)」のように人気に火がつくブランドをいち早く買い付けている点も特長で、シティショップの輪郭を形作っている。片山は「ブランドやアーティストに支えられ、一緒に歩んで成長してきた10年だった」と総括する。

 ブランドの設立から5周年を迎えた2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大が発生。ちょうど関西初出店したタイミングだった。大阪と京都に同時出店。シティショップとしては大きなビジネスの契機となるはずだった。「コロナの感染拡大で、当時は『服を売っている場合か』といった見方もあったと思う。私自身の中でもファッションを続ける意味を模索したタイミングになったが、やはり私はファッションが好き。だからこそ、『ここにしかない価値』を強くしていこうと決めた」と片山。その時期から月に2回、別注アイテムとオリジナル商品を組み合わせたスタイリングを強みにしたパッケージで販売する取り組みを開始。この提案によりファンの固定化が進み、支持されるセレクトショップを確立できたと分析する。

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Claks ORIGINALS Custom project by ALEXA STARK(5万3900円)

Image by: CITYSHOP

 10周年企画で打ち出している別注企画では、10年を音(=SOUND)になぞらえた「10 SOUNDS(テン サウンズ)」をテーマに掲げ、「タナカ(TANAKA)」や「チカ キサダ(Chika Kisada)」、ペイントアーティストのアレクサ?スターク(Alexa Stark)といった常連ブランドやアーティストに加え、アーティストのルーシー?ハン(Lucy Han)や「クラークス オリジナルズ(CLARKS ORIGINALS)」といった初めてタッグを組んだブランド、台湾のショップ「フージンツリー(Fujin Tree)」など久々にコラボレーションしたブランドも揃い、アニバーサリーイヤーを盛り上げる。また、ニューヨークに拠点を置くニットブランド「ヤンヤン(YANYAN)」が開発したオリジナルキャラクター「シティモン」が登場。チャーム(7150円)を限定で販売している。

オリジナルキャラクター「シティモン」

 「円安や物価高騰で海外からの仕入れは年々難しくなっているが、『ここでしか買えないもの』『今しか買えないもの』に対しては、高くても価値を見出してくださる方が増えた。だからこそ私たちは、より一層、唯一無二の価値を創造していかなければいけない」と片山。ディレクターを引き継いだ際に決めたことだという、「買い物をしなくても、来店してスタッフと話したり、空気を吸ってもらったりするだけで自信が持てるような場所にしたい」という思いを今後も大切にしながら、シティショップならではのファッションの楽しさを提案していきたい考えだ。

全身ショット

取材時に片山が着用した服は、ルーシー?ハンが手掛けたレザージャケット(14万1900円、販売中)と「リバーサイド ツール&ダイ(Riverside Tool & Dye)」のセットアップ(6万9300円、4月発売予定)

Image by: FASHIONSNAP


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