

2026年秋冬シーズンのウィメンズファッションウィークの取材を通じて、カラー、柄、マテリアルのトレンドを分析。世界に緊張感が漂う情勢の中でも、未来への希望を失わないムードがカラーパレットに表れ、ブラックから鮮やかな色彩まで豊かに展開された。柄やマテリアルは、花やアニマルといった自然界からの着想が目立っている。また上質な素材と手の込んだ加工から、ブランドそれぞれのクラフトマンシップが感じられた。
ADVERTISING
目次
カラー
ブラック













FENDI
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
今季はマリア?グラツィア?キウリ(Maria Grazia Chiuri)によるデビューとなった「フェンディ(FENDI)」をはじめ、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「シャネル(CHANEL)」など、ファーストルックをブラックのワントーンや無彩色のモノトーンでスタートするブランドが多かった。45年前にパリで“黒の衝撃“と称された「コム デ ギャルソン(COMME des GAR?ONS)」も改めてブラックにフォーカス。ショーが進むごとに色彩や素材が豊かになっていく構成も多く、ダークな世界から徐々に希望を見出していくよう。ブラックの奥深さが提示された。
ダークグレー







BOTTEGA VENETA
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
万能なニュートラルカラーのグレーは今季、ダークトーンでインダストリアルなムードが特徴。「ボッテガ?ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」や「ジル サンダー(JIL SANDER)」の、ダークグレーのスーツやジャケットスタイルが存在感を放った。構築的なショルダーラインが、力強い女性像を提案。「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」や「ジバンシィ(GIVENCHY)」のように、インナーのトーンを変えた多層的なグレーの着こなしも、洗練された雰囲気を演出する。
レッド













TOM FORD
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
ここ数年、秋冬シーズンのアクセントとして登場していたレッドの存在感がさらに増している。「トム フォード(TOM FORD)」や「ランバン(LANVIN)」、シャネル、バレンシアガのように、ウールコートやジャケットスタイルに大胆に用いて、装いからエネルギーを感じさせる色使いは今季ならでは。また、ボッテガ?ヴェネタのテクニカルファイバーを用いたシャギーなコートや、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のプリーツの一部にフラワープリントを取り入れたドレスのように、「動き」を取り入れたデザインも目を引いた。
イエロー







TOD'S
Image by: TOD'S
イエローもまた、近年の秋冬ファッションに“遊び”を加えてくれるカラー。今シーズンは、パプリカやパンプキンのようにこっくりと深みのあるトーンが特徴で、明るくポジティブなムードと自然の恵みを感じさせる。「トッズ(TOD’S)」のレザーポンチョは、メイド?イン?イタリーのサヴォアフェールが光る一着。「エルメス(HERM?S)」はスエードジャケットとスカートに、体に沿うように曲線的なジッパーを施し、遊び心と上質な仕立てを両立させた。「ロエベ(LOEWE)」はジャック?マッコロー(Jack McCollough)とラザロ?ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)によるデビューとなった前シーズンでもイエローを取り入れたが、今回はランウェイ一面を彩色。ジバンシィのサラ?バートン(Sarah Burton)もイエローをキーカラーとし、スリットが深く入ったストラップドレスに採用。クラフトマンシップと優美なシルエットによって、イエローの表現が多様なシーズンとなった。
オリーブグリーン









Dior
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
自然を羨望するようなアプローチは今シーズンの潮流。色彩の面でも、安らぎと癒しを感じさせるアースカラーや、自然界を彩るカラーが台頭。グリーン系は、特に落ち着いたオリーブのような色合いが印象的で、「ディオール(Dior)」のフリルスカートはフォルムからもボタニカルなテイストが表れていた。「フェラガモ(FERRAGAMO)」や「アンテプリマ(AMTEPRIMA)」は、体を優しく包み込むアウターに採用。ドリス ヴァン ノッテンや「ルイ ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は今季のキーパターンであるチェックにオリーブグリーンを取り入れた。
ブライトピンク






COMME des GAR?ONS
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
ブラック、グレーといった定番カラー、自然との融和を促すカラーとともに、印象的だったのが鮮やかなピンク。近年は落ち着いたスモーキーピンクが多かったが、彩度と明度が高い「ブライトピンク」は、アヴァンギャルドで強い精神性を兼ね備え、新時代のフェミニニティと呼応する。ブラックを追求したショーに6体だけピンクのドレスを登場させ視線を集めたコム デ ギャルソンのように、冬の装いのアイキャッチになりそうだ。
パターン
アニマルモチーフ









BOTTEGA VENETA
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
パターン(柄)で特に存在感を放っていたのがアニマルモチーフ。レオパードを筆頭に、ゼブラやタイガー、ダルメシアンといった柄が視線を集めた。シアリングなどボリュームのあるアウターはインパクト大。スカートやシャツなどスタイリングのアクセントとしても取り入れられた。
チェック











LOUIS VUITTON
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
秋冬の定番柄であるチェックは、トラディショナルからプレイフルまで多彩なバリエーションにアップデート。グレンチェック、ハウンドトゥース、タータンチェック、オンブレチェック、ブラックウォッチと種類が豊富で、「クロエ(Chloe)」のようなカラフルな配色にも注目したい。アウターやドレスに加えセットアップでの提案も多く、今季らしいひねりを加えたチェックを主役にしたコーディネートが目を引いた。
花柄








GIVENCHY
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
花柄は、柔らかなシフォン素材やドレッシーなサテンといった多様なマテリアルで、例年以上に新鮮に映った。ゴージャスな刺繍、繊細なビジューなど、職人技と融合し、エレガントで生き生きとしたフラワーパターンが特徴的だった。
マテリアル
シアリング/ファー
















CHANEL
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
冬の装いにインパクトを加える、シアリングやファー(多くは人工)の人気が継続。なお、ファッション業界全体でファーフリーを適応するブランドが増えているが、エシカルな素材でもリアルな質感に限りなく近い品質に進化しているのも近年の傾向だ。シャネルやボッテガ?ヴェネタ、ルイ?ヴィトンなどから登場したコートは、単色だけでなく、マルチカラーやバイカラーの提案が豊富。「グッチ(GUCCI)」のオフショルダーのスヌードや、「ミュウミュウ(MIUMIU)」のトラッパーハットなど、スタイリングの幅を広げてくれるアクセサリーも。
レース









Dolce&Gabbana
Image by: Dolce&Gabbana
重たくなりがちな秋冬にセンシュアルなムードを添えるレースは、抜け感とともにウィメンズパワーを秘めた装いが目を引いた。「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」はランジェリーライクなドレスに真紅のリップで、ミニマルでありながら強い意志を感じるスタイルに。フェンディはレザーを繊細なレーザーカットによってレースに仕上げ、マスキュリンなムードと融合。サンローランはシルクレースの表面にシリコンコーティングを施した革新的なマテリアルに。高度な技術によってレースの扱いが格上げされたシーズンとなった。
シワ加工






Dior
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
長年使用した「時間の堆積」や「愛着」を感じさせるギミックとして、シワ加工を施したマテリアルも注目。ディオールや「プラダ(PRADA)」「ディーゼル(DIESEL)」などで登場しており、ディーゼルのデニムジャケットのリアルなシワは樹脂で固定することでユーズド感を強調。グレン?マーティンス(Glenn Martens)が、「パーティの後に床で寝落ちした時のシワ」と表現するように、そこには「完璧ではない日常への愛おしさを込めた眼差し」が落とし込まれている。
ファニチャーライク






DRIES VAN NOTEN
Image by: ?Launchmetrics Spotlight
スタイリングに少しのズレを生じさせながら、親近感のあるファニチャーライクなマテリアルがネクストトレンドとして浮上。アンティークのチェアやカウチに張られたジャカードやベロア、サテンジャカード、カーペットのようなベルベット素材を、ノスタルジックに取り入れたのが今季らしい。「ホダコヴァ(HODAKOVA)」のように家具を衣服へと転換する、実験的なアプローチも印象に残った。
最終更新日:
ADVERTISING


















