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クレージュの魔法、再び 祝祭のリズムに響くリピテーション

2025年秋冬コレクション

クレージュ 2025年秋冬コレクションのルック

クレージュ 2025年秋冬コレクションのルック

Image by: Courre?ges

クレージュ 2025年秋冬コレクションのルック

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クレージュの魔法、再び 祝祭のリズムに響くリピテーション

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クレージュ 2025年秋冬コレクションのルック

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 パリ?ウィメンズ?ファッションウィーク4日目の朝、「クレージュ(Courrèges)」のショーのためにマレの会場を訪れるのは、もはや恒例となっている。屋根から自然光が柔らかく差し込む白い空間には、今シーズンもシンボリックな仕掛けが施されていた。会場の中央には、赤?青?ピンクの紙吹雪が正方形に敷き詰められ、視線を惹きつける。ゲストたちは、この「いつものように」という言葉が、決してマンネリや退屈を意味しないことを知っている。アーティスティック?ディレクターのニコラス?デ?フェリーチェ(Nicolas Di Felice)は、この場所で幾度となく魔法を見せ続けてきたのだから。

 ショーがスタートすると、中央の床から風が吹き出し、紙吹雪が軽やかに舞い上がる。それは飛び散ってしまうのではなく、宙に留まり続け、カラフルな立方体を形成した。そこへ、黒い布を一枚巻きつけたかのようなモデルが突入する。ミニマルでありながらスペクタクルなこの演出は、アメリカのアーティスト、ダン?コーレン(Dan Colen)の作品集「Moments like This」に着想を得たものだという。一瞬を凍結するようなこの視覚的効果は、ジェスチャーを重んじるクレージュのアティチュードとも響き合う。

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クレージュ 2024年秋冬コレクションのレポート

ジェスチャーを考察 セクシーだけどクリーンでヘルシー「クレージュ」が見せる新境地

COLLECTIONファッション

 今シーズンの象徴的な意匠のひとつが、布が巨大なリボンのように身体をクロスし、垂れ下がるデザインだ。トラペーズミニスカート、タンクトップ、バイカーといったクレージュの定番アイテムに、新たなツイストを加える。タイトなシルエットから計算されたドレーピングまで、コントラストの効いたデザインが違和感なく目に飛び込んでくる。ミニマルだからこそ、素材の選択が際立つ。慎重に選ばれたツイードやダチョウの羽は、意外性を含みながらも、創造の幅を広げていく。ゴーグルのようなアイウェア、そして後半に登場する身体を覆い尽くすシルエットは、さらなる可能性を予感させる。

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 今シーズンも、クレージュはクレージュのままだった。狭い表現領域の中で、可能性を拡張し続けるニコラス?デ?フェリーチェ。軽さと重さが等価に見え、シリアスでありながら、そこに漂う軽快さが彼のデザインを若い顧客へと引き寄せる。官能的で、ソリッド。そして、その根底にはオプティミズムが流れている。ニコラの作り出すクレージュは、何かを恐れることなく、心と身体を解放できるセーフ?スペースだ。セーフスペースというワードは、クラブシーンで繰り返し目にする言葉でもある。ダンスミュージックとこれほどまでに共鳴するファッションブランドは他にない。クラブやレイヴで着るための服というだけではなく、ニコラがこだわり続けるリピテーションの中には、クラブミュージックの精神性が宿っている。

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 ニコラが音楽家エルワン?セネ(Erwan Sene)と作り上げるショー音楽も、いつにもましてセンセーショナルだった。今シーズンは、シャンタル(Chantal)のクラブクラシック「ザ?レルム(The Realm)」のリミックスが、会場の空気を震わせた。「あなたの心、あなたの体、そしてあなたの魂のためのもの それは好奇心をかき立てる力(Something for your mind? Your body, and your soul? It's the power to arouse curiosity)」というフレーズが響き渡った。平面的な入り口から、好奇心に導かれ、深淵なクレージュの世界へと飛び込んでいくのだ。

Courre?ges 2025年秋冬

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Courrèges 2025年秋冬コレクション

2025 AUTUMN WINTERファッションショー

最終更新日:

エディター / ライター / プロデューサー

上岡 巧

KO UEOKA

1993年生まれ、東京出身。早稲田大学社会科学部卒業。メンズファッション誌『Them magazine』編集部を経て、2022年に独立。ロンドン生活の後、現在はパリに拠点を移し、フリーランスとして活動する。

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