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【香水連載 vol.27】まもなく日本初上陸する「CHAMBRE52」とは?

CHAMBRE52のフレグランス

Image by: CHAMBRE52

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【香水連載 vol.27】まもなく日本初上陸する「CHAMBRE52」とは?

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 フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。

 今回取り上げるのは、年内に日本上陸予定の新ブランド「シャンブル サンカン ドゥ(CHAMBRE52)」。発売に先駆けて、創業者兼クリエイティブディレクターのニコラ?ドゥウィット(Nicolas Dewitte)にインタビュー。

香りのラインナップはオードゥ パルファム全6種、サイズは各2種(100mL 4万2900円、52mL 3万1900円)。左から:オランシェ(orencie)、ソレイユ トンカ(soleil tonka)、タバコ メモリーズ(tobacco memories)、キュイラ コール(cuir à corps)、ボワ フロッテ(bois flotté)、コーントル タ ポー(contre ta peau)

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 プレミアムフレグランスコレクションに湧く今年、ニッチブランドが久々に仲間入りする。名前は「シャンブル サンカン ドゥ(CHAMBRE52)」、つまり「52号室」。2024年11月にデビューしたばかりのフランスのブランドである。創業者はニコラ?ドゥウィット。香水会社に長らく勤めたのち独立、そのキャリアを生かして自らのブランドを立ち上げた。

パリ育ちのカリビアン。これまで70ヶ国以上を訪れ、クリエイションの糧としている

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 「香水会社にいた時はさまざまなブランドのプロデュースを手がけていた。フランシス?クルジャン(Francis Kurkdjian)やオーレリアン?ギシャール(Aurelien Guichard)といった名だたる調香師たちと仕事をしてきたことで、2年ほど前、自分のストーリーを香りで語ることを決めたんだ」

 そこでニコラはブラジル?サンパウロに旅立つ。

 「今後のことをサンパウロでいろいろ考えようと思ったんだけど、それがとてもスペシャルな時間になった。しかも滞在した『ホテル ユニーク(Hotel Unique)』もとてもスペシャルな空間。だからブランド名は、僕が滞在した部屋番号なんだ。パッケージやボトルに赤を利かせているのは、ホテルのルーフトッププールがイメージソース。真っ赤にデザインされていて、プールに飛び込むとまるで血の海にダイブするような感じだったよ(笑)」

ブランドのキーカラーは、赤。ボトルキャップや内箱に差し色として使用。クリアボトルや純白パッケージとのコントラストが美しい

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 元々文章を書くことが大好きというニコラは、ホテルの部屋でいろいろとストーリーを書き始めたという。心動かされた瞬間について、人生で経験してきたこと、出会った人々、自分自身、センシュアルなひととき…あらゆるエモーションについて書き溜めた。そしてパリに戻ったのち、これらを6つの香りのストーリーに仕立てようと思いついた、という。

 「まとう人それぞれの“52号室”を感じてほしいと思ったんだ。香りはもちろん、全体のデザインも含めて完成までに1年半くらいかかっている。ボトルデザインも重要な要素で、ホテルルームといっても閉鎖的な空間ではなく、世界に開かれているという意味で透明ボトルにこだわった。そして小さいサイズは52mLにしているんだ」

公式サイトを開くと目に飛び込んでくるイメージフィルムは、友人である映画監督セドリック?ヒメネス(Cedric Jimenez)が制作

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 香りについては昨今のプレミアムフレグランス同様、複数の調香師を起用。シャンブル サンカン ドゥではドミティーユ?ミシャロン?ベルティエ(Domitille Michalon Bertier)、カロリーヌ?デュミュール(Caroline Dumur)、ニコラ?ボリュー(Nicolas Beaulieu)、ジャン=クリストフ?エロー(Jean-Christophe Hérault) が名を連ねているが、創作プロセスは極めてユニークだ。ニコラが執筆したストーリー1本を2人の調香師に渡し、それぞれから香りを提案してもらい、どちらで進めるかをニコラが決定する。

 「ストーリーは2~3ページのエッセイ的なものもあれば、20ページほどの小説のようなものもあるけど、そのまま調香師に渡している。調香師からの提案を聞けば、自分のストーリーにどのように共感しているかわかるから、ストーリーに込めた思いによりフィットするほうを選び、さらにディスカッションを重ねて詰めていくんだ」

「オランシェ」に用いている主香料で構成したキーヴィジュアル。明るい朝を感じさせる穏やかなフローラルノート

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 だからこの6つの香りにはそれぞれ、ニコラが描いたパーソナルなストーリーが息づいている。

 「例えば『オランシェ(orencie)』は、僕の曽祖母の名前。とてもカリスマティックでモダンで洗練された彼女へのトリビュートであると同時に、ヴァージニア?ウルフの『自分だけの部屋(A Room of One’s Own)』にもインスパイアされている。これは約1世紀前に書かれたエッセイで、女性が自立するには経済的安定と精神的自立が必要であるというフェミニズム文学の古典。ライチとローズ、ホワイトムスクなどを繊細に重ね合わせ、俗事から離れて部屋でひとり目覚めたような、穏やかな気分になれる香りなんだ」

アワード受賞作の「タバコ メモリーズ」。タバコリーフ、イリス、サフランをキーに構成した夜の香り

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 他に、サンパウロのグラマラスな夜のムードを描き、ちょうどインタビューの前週にフランスフレグランス財団(The Fragrance Foundation France)主催の2025年度アワードで、ヤング?インディペンデント?ブランド部門の「ベスト?ニッチ?フレグランス」を受賞した「タバコ メモリーズ(tobacco memories)」、長い時間をかけて漂流し海洋で磨き上げられた流木の香りを表現した「ボワ フロッテ(bois flotté)」など、どれも想像力をかき立てられる、シックで洗練された香りばかり。日本上陸の折には、まずは「ディスカバリー セット」(2mL×6種 8800円)から試すのが楽しそうだ。

最終更新日:

ビューティ?ジャーナリスト

木津由美子

大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。

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エドストローム オフィス:03-6427-5901

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