
「GIVENCHY」2025年秋冬ウィメンズコレクションの上海プレビューの様子
Image by: GIVENCHY
「ジバンシィ(GIVENCHY)」2025年秋冬ウィメンズコレクションの発売に先立ち、アジアで唯一の展示会が中国?上海で開催された。会場は、150年以上の歴史を持つ「張園(ジャンユエン)」。上海最大規模のこの石庫門建築群は、28種類ものさまざまな様式の建築が集まり、「伝統的な上海の文化」と「国際的なファッション文化」が見事に融合した空間だ。

上海にある「張園(ジャンユエン)」、ジバンシィの特別仕様に
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展示の舞台となったのは、園内でも特に象徴的な独立棟のヴィラ「W12」。フランス風スタイルを融合させた同建物は、ジバンシィの持つフランスの伝統とグローバルな視点を象徴するかのようで、アーティスティック?ディレクターに就任したサラ?バートン(Sarah Burton)によるデビューコレクションの魅力が存分に伝わる場となった。
同コレクションの一部アイテムは、日本では8月末から順次発売を予定している。残念ながら全てが日本で展開されるわけではないが、今回はウェアをはじめ、新生ジバンシィのアイコンとなるであろうバッグやシューズといったアイテムをレポートする。
改装中に見つかった"秘密"がインスピレーション源に
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サラ?バートンによる「ジバンシィ」のデビューコレクションは、思いがけない偶然から生まれた。ジバンシィの最初のメゾンであるアルフレッド?ド?ヴィニー通り8番地に建つ邸宅の改装中に発見されたユベール?ド?ジバンシィの1952年デビューコレクションのオリジナルパターンが、サラ?バートンのクリエイティブな道筋を照らしたのだ。茶封筒に入れられたパターンは、1952年に発表された彼のデビューコレクションで使用したキャリコ(綿織物)のもので、上海プレビューではその実物も展示された。

1952年デビューコレクションのオリジナルパターン
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「前へ進むためには、原点に立ち戻る必要がある」というサラ?バートンの言葉通り、同コレクションはジバンシィの伝統を尊重しながらも、現代的な解釈で蘇らせている。"GIVENCHY 1952"と刻印された裁断用ボディから着想を得たニットのルックに始まり、男性的な仕立ての技術と女性らしいシルエットを融合させたテーラリングを軸に展開。力強いショルダーとウエストを強調するジャケットやコート、2種類の洗練されたトラウザーは、クラフトマンシップへの敬意を表している。
サラ?バートンによる2025年秋冬ウィメンズコレクション

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女性の身体の曲線美を出発点とした同コレクションは、創業者ユベール?ド?ジバンシィの過去のデザインとも呼応している。ユベール?ド?ジバンシィ自身が動物好きで、農業もしていたという背景から、コートやスカートにアニマルプリントやボタニカル柄の刺繍があしらわれている。また特筆すべき点は、創業者と共に働いた職人たちの技術が今も継承されていること。ウエストで摘み、立体的なフォルムを形成したスカートやシューズにあしらったボタニカル柄の刺繍は、卓越した技術を持つアトリエの職人の手によって仕上げられており、ファッションハウスの歴史の重みと継続性を感じさせる。

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マシュー?M?ウィリアムズ(Matthew M Williams)時代と比べても、ウールギャバジンなど硬質な素材が目立った今シーズン。古巣の「マックイーン(McQueen)」から招聘するなどデザインチームを刷新したことに加え、テキスタイルについても1から選び直したものが多いという。ジバンシィを象徴する白いシャツはドレスとして生地をたっぷり使ってアシンメトリーに仕上げられており、日本での展開も予定されている。

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背中で語る服、こだわり抜いた360度デザイン
上海プレビューの会場では、ユベール?ド?ジバンシィのデザイン画や、コレクションルックなども公開。これを見れば、ユベール?ド?ジバンシィのエッセンスの単なる再現ではなく、サラ?バートンにより現代的視点で再解釈されたことがわかる。ショーにアクセントを加えたストールも、当時のルックからインスパイアされたものだが、サラ?バートンはこれを形状記憶レザーで表現している。

ユベール?ド?ジバンシィ直筆のデザイン画
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ユベール?ド?ジバンシィのデビューコレクションのルック
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ユベール?ド?ジバンシィのデビューコレクションのルック
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サラ?バートンによる2025年秋冬ウィメンズコレクション
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コレクションルックだけでは見落としがちだが、サラ?バートンによる「ジバンシィ」の指針を示す一番見るべきポイントは、精巧なパターンメーキングにより生み出す360度デザインだ。前後ろを逆転させたVネックジャケットは最たるもので、立体的なシルエットを生み出す二枚袖の内側をプレスし、クリースを付けたコートやジャケットの袖は、よりウエストのシェイプが際立つシルエットになっている。さらに、ダーツやパネルを多用した女性の身体に沿うアウター類からは「現代の女性のすべてを表現したい。強さ、繊細さ、感情的知性、パワフルであること、そしてセクシーであること— そのすべてを」と語るサラ?バートンの意図が読み取れる。












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新作多数、新生ジバンシィの注目アクセサリー
コレクションを彩るアクセサリーも見逃せない。新生ジバンシィでは、単なるアイテムではなく、欲望をかきたてるオブジェとして靴、ジュエリー、バッグをデザインしたという。








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アイコンになりそうなシューズとして挙げられるのが、ロゴが入ったバレリーナフラットシューズ。スクエアトゥが印象的なアイテムで、日本ではブラック、レッド、パウダーピンクなど5色展開で、価格は13万円~。そのほか、ローファーやブーツなどの新作シューズも展開される予定だ。




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バッグは、「ピンチ(The Pinch)」と「ファセット(The Facet)」と名付けられた新商品を用意。ピンチは、縫い針から着想を得た金具が特徴のハンドバッグで、内部にはミラーが付いていたりと機能性も充実している。ファセットは、サラ?バートンらしい立体美のバッグで、クラッチタイプのスモールと、ハンドバッグタイプのミディアムの2サイズを展開。価格帯は40?50万円前後になる予定だ。






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また、"GIVENCHY 1952"のロゴが彫られたリングや、砕かれたシャンデリアから着想を得たガラス、パール、クリスタルを用いたピアスやネックレスなども披露された。
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