
「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」が2026年秋冬コレクション「Reflection」を発表した。東京と長野、都市と自然を往来するデザイナー黒河内真衣子のライフワークを軸に、自身の"現在の記憶"を起点に製作。「土屋鞄製造所」との協業アクセサリーも披露された。
ADVERTISING
?"今"の記憶から始まるコレクション
「前回が子どもの頃のノスタルジー、"透けている記憶"にフォーカスしていたとすれば、今回は"今の私自身の記憶"がより深い出発点になっています」。
黒河内がそう語る今季の出発点は、絵を描いたりコレクションの構想を練るため行き来する長野のアトリエで過ごす時間にある。晴れていた景色が一瞬で霧に覆われ、視界がホワイトアウトする感覚。そして、霞む霧の中から生命力のある深いグリーンがのぞく瞬間。輪郭を持たず、触れることのできない自然現象を、織りや素材でどう表現できるかを考えたという。

コレクションのムードボード
Image by: FASHIONSNAP
重厚なアウターから幕を開ける秋冬シーズンでありながら、全体に軽やかさを伴った今シーズン。透ける素材を重ね合わせることで、層が生み出す色彩や質感、ボリュームを表現した。胸元やウエストに円弧状の切り替えが施された薄手のロングドレスや、透過素材で仕立てたジップアップブルゾン、自身で描いた繊細な草木柄が織りで浮かび上がるセットアップは内ポケットといった服の内部構造までもがほのかに透けて見える。霞がかったような質感や、細かな粒子のような光沢を帯びた素材を多用し、「霧の中に包み込まれるような感覚」をかたちにした。




草木柄は黒地の総柄フーデッドコートにもあしらわれ、白のラインで輪郭を際立たせる対照的なアプローチも見せた。


"中間"をまとうという提案
また、テックウェアやマウンテンウェアを思わせるアウトドアの要素も際立つ。
「東京ではシルクのセットアップにジャケットを着て、山へ行くときはテックウェアに変える。アウターを変えることで、日常が緩やかにつながっていく感覚があるんです。都市の自分と山で過ごす自分、その間にある時間を表現したいと思いました」。
その言葉を体現するように、スーツ仕立てのレイヤーコートや、軽量ナイロンのアウターは、その"中間"の身体を包むための提案だという。ナイロンパーカにコード刺繍のトレイルベスト風トップスを合わせたルックは、アウトドアの機能性とクラフトの装飾性を融合。都市と自然を行き来しながらもしなやかに装う女性像を浮かび上がらせる。


グリーンは今シーズンを象徴するカラーとしてコレクションに彩りを与えた。森や草木の色であるほかに、黒河内が収集している岐阜のガラス作家の作品から着想を得ているという。光を透過したような和ガラスのような鮮やかなエメラルドグリーンをはじめ、異なる糸が混ざり合うニットのグリーン、生命の芽吹きを感じさせるグリーン、そしてシアー素材を重ねることで深みを持たせたグリーンまで。まるで絵の具を扱うかのように、多彩なニュアンスのグリーンが繊細に"調合"されていた。




特に挑戦的だったのが和紙プリントを用いたファブリックだったという。薄く透ける素材に和紙をプリントし、糊が付いている部分を洗い落とすという技法で、量産に耐えうるクオリティを実現するため、職人と試行錯誤を重ねた。

「土屋鞄」とのコラボが登場
アクセサリーでは、「土屋鞄」と協業。1965年に創業した同社のランドセル製造で培われた技術と哲学に黒河内が共鳴した。「(小学校の)6年間持ち続けられる軽さと耐久性を研究してきた姿勢に、すごくシンパシーを感じました」。今回、その考え方を取り入れた"日常使いできる"アイテムを製作した。





ランウェイには、曲線的なフォルムのレザーバッグや、トレイルベストを思わせるハーネス型のレザーバッグが登場。カラビナを備えた実用的な設計で、鍵や小物などを外付けできるのが特徴だ。白のロングコートに黒のレザーハーネスを重ねたルックでは、柔らかなウェアのシルエットに対し、硬質なレザーが対照的なアクセントとして存在感を放っていた。

Image by: FASHIONSNAP
霧、ガラス、深い緑。触れられないものを、確かな手触りへと変換する試み。前季のノスタルジックなムードを継承しながらも、よりデザイナー自身の現在の身体感覚を反映した今季。都市と自然、クラフトと機能の境界を横断しながら、霧の奥に潜む芯のある美学を確かな輪郭として描き出した。

最終更新日:
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【注目コレクション】の過去記事
足球即时比分,比分直播
アクセスランキング

BOTTEGA VENETA 2026 Autumn Winter














