Image by: SAINT LAURENT

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ライトアップされたエッフェル塔と、白い紫陽花が咲き誇るガーデン。パリの夜を幻想的に彩るシネマティックな演出の「サンローラン(SAINT LAURENT)」2026年夏ウィメンズコレクションが、ファッションウィークの開幕を告げた。豊かな色彩と軽やかな官能性をまとった"サンローラン?ウーマン"たちがヒロインとなり、今年夏に発表されたメンズコレクションから続く物語を紡ぎ出した。
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メンズコレクションとの呼応
6月下旬に行われたサンローランのメンズ2026年夏コレクションのショーは、パリ1区「ブルス?ドゥ?コメルス」のホールが会場となり、午後の眩い陽光が満たす中で開催された。軽やかなデイウェアが特徴で、ショーの中盤はシルクに代わり、ナイロン素材が主役となった。
ナイロンで仕立てたイヴニングドレス
今回のウィメンズコレクションは、彫刻的なフォルムと軽やかさにおいてメンズコレクションとの呼応を見せた。メンズライクなレザージャケットとペンシルスカート、ボウブラウスといったシグネチャーがショーの序盤を飾り、そのあとに登場したすべてのルックに上質なナイロン素材が用いられたことが、今シーズンの最も顕著な特徴だ。







コレクションの中盤では、サンローランのアーカイヴからレインコートとデイドレスのシルエットを再構築。マットやシャイニーなど多様なテクスチャーを持つナイロン素材が滑らかに身体に沿い、流麗なラインを描き出した。






そしてショーの終盤を飾ったのは、全てナイロンで仕立てられたマキシ丈のイヴニングドレス15体。伝統的なシルクに代わるテクニカルな素材の導入は、現代におけるラグジュアリーの新たな解釈を提示した。大胆なボリュームのフリルやラッフルが装飾され、色彩は深みと透け感を同時にまとう。極薄の素材が風をはらむ軽やかさは、歩く姿を一層ドラマティックに演出した。








アンソニー?ヴァカレロのシネマティックな美学
クリエイティブ ディレクターのアンソニー?ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)は、今シーズンのショーノートにおいて、美の形は多様であり、ファッションが視覚的かつ象徴的なメッセージ性を持つことを強調している。「サンローランにおいて、美学は言語である。それは表層を超えてこの世界を見る方法を表現し、芸術、社会、政治の垣根をも越える」とし、対照的な価値観が併存する世界を生き抜くサンローラン?ウーマンの姿を描写したという。
ヴァカレロのシネマティックなヴィジョンはファッションに留まらず、同氏が構想し、ファッションハウス初の本格的な映画製作部門として設立された「サンローラン?プロダクション」の活動にも具現化されている。
その美学の多面性と、新たなシルエットや素材への探求とが結実した今シーズン。来年迎えるヴァカレロ就任10周年に向け、サンローランの新境地を提示した。
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