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【インタビュー】“個人の感情”は共通言語になる?SHUSHU/TONGが追求する感情由来のものづくり

アシックス × シュシュ/トング キーヴィジュアル

Image by: SHUSHU/TONG

アシックス × シュシュ/トング キーヴィジュアル

Image by: SHUSHU/TONG

【インタビュー】“個人の感情”は共通言語になる?SHUSHU/TONGが追求する感情由来のものづくり

アシックス × シュシュ/トング キーヴィジュアル

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 2015年に誕生した中国?上海発ウィメンズブランド「シュシュ/トング(SHUSHU/TONG)」は、2019年秋冬には東京でファッションショーを開催し、現在ではドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)全店舗で展開しているほか、日本でも「グレイト(GR8)」や「リトマス(LITMUS)」といった好感度セレクトショップで取り扱われ、「アシックス スポーツスタイル(ASICS SportStyle、以下 アシックス)」とのコラボスニーカーを発表するなど、アジアを中心に人気を集めている。

SHUSHU/TONG 2025年秋冬コレクション

Image by: ?Launchmetrics Spotlight

SHUSHU/TONG 2024年秋冬コレクション

Image by: ?Launchmetrics Spotlight

 コンセプトは「少女の心を持ち続ける洗練された現代女性」。花やリボン、フリル、メッシュ、パールといった“女性的”とされる要素の探求を通じて、女性に対するステレオタイプに対する挑戦的な姿勢を示し続けてきた。

 デザイナーのリュウシュ?レイ(Liushu Lei)とユートン?ジャン(Yutong Jiang)はロンドン?カレッジ?オブ?ファッション大学院の同級生。「美少女戦士セーラームーン」や「カードキャプターさくら」など、日本のアニメや漫画から多大な影響を受けているという2人のクリエイションは、キャラクターのようなアイコニックで可愛らしいヴィジュアルの奥に、心から自由なファッションを楽しむ芯のある女性像を感じさせる。シュシュ/トングのロマンティッククリエイションが世界各国の幅広い女性たちから支持を集めるのは、2人が提案する「女性像の固定観念を打ち破ろうとする反骨精神」が世界共通で現代の女性たちと心理と共鳴する部分があるからかもしれない。

 今回は、8月23日に控えるアシックスとの新作コラボ発売を前にリュウシュとユートン(ニックネームはシュシュとトン)にインタビューを実施。一貫して表現している独自の女性像についての考え方から、アシックスとのコラボの詳細、さらには中国発のブランドとしてのアイデンティティに対する視点まで、幅広いテーマについて訊ねた。

左から:リュウシュ?レイ(Liushu Lei)、ユートン?ジャン(Yutong Jiang)

Image by: SHUSHU/TONG

地理的なイメージや考え方を超えた「普遍的な少女」の物語

── 日本の漫画やアニメといったカルチャーから影響を受けているそうですが、コレクションを作る際にまず最初に何を考えますか?

 私たちはいつも、コレクションでミューズとする女性像に対して、「彼女は誰?」「彼女は何を感じている?」「彼女は何をしている?」と想像することから始めます。そうした“個人の感情”を考えることは、私たちのクリエイティブプロセスの基礎になります。

── 日頃のインスピレーション源を教えてください。

 本や映画、お花屋さん。たったひとつの文章や、ある一瞬の出来事から着想を得ることもあります。

── 漫画やアニメのような“フィクション”の世界観や女性像のイメージを、どのようにして現実の人間の服に落とし込んでいますか?

 最も大切にしているのは、“リアルな情緒体験”を伝えることです。私たちのコレクションに登場する物語の人物像はフィクションかもしれませんが、彼女たちの感情に対してはどれも普遍的で等身大のものを感じ取っていただけるようにしたいと考えています。

── シルエットやディテール、色彩など、服作りの各要素において重視していることを教えてください。

 最近のコレクションでは、色の使い方にも注力しており、より広く、より表現力のあるカラーパレットを取り入れる方法を模索しています。

SHUSHU/TONG 2025年秋冬コレクション

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SHUSHU/TONG 2025年秋冬コレクション

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── 近年のファッションデザイナーには、出身国の伝統やバックグラウンド、ルーツを踏まえた表現が求められることも多いかと思います。そういった風潮に対してどのような考えをお持ちですか?

 そういった風潮があることは理解しています。しかし、私たちが追求しているのはそういった地理的なイメージや考え方を超えた普遍的な「少女」の物語です。私たちが表現しようとしているアイデンティティは、情緒的で、今を生きているものです。一方で、伝統的な刺繍技術や歴史的な衣服を彷彿とさせるシルエットなど、私たちの中に息づいている中国文化が、デザインに自然に現れることは大切にしています。これらのディテールは、各コレクションの背後にあるストーリーテリングを豊かにする要素の一つだと捉えています。

柔らかさは服従と同義ではない

── 今回のアシックスとのコラボシューズのデザインで重視したポイントを教えてください。

 デザイン表現そのもの、つまり「機能構造と感情の融合」です。柔らかく肌触りの良いクラシカルなレースを使用し、テクニカルなスニーカーのシルエットに落とし込むことで、異なる要素が組み合わさることで生まれる“強さ”のバランスを追求しました。

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── アッパーのレースは、クラシックバレエのチュチュからインスピレーションを得たそうですね。

 シュシュ/トングの象徴的なテーラリング技術を起点に、ブランドのヴィジュアルアイデンティティと一貫性のあるデザインに仕上げました。シュシュ/トングの特徴であるハンドメイドのような繊細さと抑制されつつも潜在的な緊張感を備える。まるで微妙な感情が表面に織り込まれているかのようなデザインをイメージしています。


Image by: SHUSHU/TONG


Image by: SHUSHU/TONG

アッパーのレースがバレエのチュチュから着想を得たことからデザインされたアシックスとのコラボシューズのキーヴィジュアル。

── レトロスタイルを現代のテクノロジーで再解釈したアシックスの「GEL-KINETIC FLUENT」をベースにしています。

 GEL-KINETIC FLUENTの先進的テクノロジーとストリート感覚のエネルギーを、シュシュ/トングの特徴である柔らかさや女性らしさと融合することで、ダイナミックな美的緊張を生み出せていると思います。ここで表現した「対照的な共生」は、“柔らかさは服従と同義ではなく“、“構造は硬さと等しくない”ということ、つまりシュシュ/トングが描き出す女性像の多面的な性質を象徴しています。“彼女”は好奇心旺盛で、洞察力があり、矛盾を恐れずにその中を進んでいきます。大胆に、遊び心を持って、常に自分の信条を持って行動する人なのです。

コラボモデルのベースになった「GEL-KINETIC FLUENT」

Image by: Hiroyuki Ozawa

── ウェアのデザインとスニーカーのデザインを作る際の感覚的な違いはありましたか?

 衣服は体系的な表現の形であり、アクセサリーは感情の延長です。スニーカーには、その構造に対する合理的なアプローチが必要であり、非合理的で感情的な要素を組み込むことが必要であると考えました。それは私たちにとって挑戦であり、楽しみな要素でもありました。

Image by: Hiroyuki Ozawa

──?シュシュ/トングのように、今後中国発の若手ブランドが世界で成長するためには、何が必要だと思いますか?

 明確で一貫性のある設計、開発におけるリズム感、そして核となる正直な感情。「自分の話を正直に話すこと」が最も重要だと考えています。

??ASICS SportStyle ×?SHUSHU/TONG
発売日:2025年8月23日(土)
取り扱い店舗:ASICS FLAGSHIP HARAJUKU、ASICSオンラインストア、DOVER STREET MARKET GINZA
価格:3万3000円

Image by: Hiroyuki Ozawa

Image by: Hiroyuki Ozawa

最終更新日:

FASHIONSNAP 編集記者

橋本知佳子

Chikako Hashimoto

東京都出身。映画「下妻物語」、雑誌「装苑」「Zipper」の影響でファッションやものづくりに関心を持ち、美術大学でテキスタイルを専攻。大手印刷会社の企画職を経て、2023年に株式会社レコオーランドに入社。若手クリエイターの発掘、トレンド発信などのコンテンツ制作に携わる。

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アシックス × シュシュ/トング キーヴィジュアル

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