Image by: TEMBEA
「テンベア（TEMBEA）」が展開する、軍手をモチーフにした手袋「GUNTE」コレクションが今、若年層を中心に人気を集めている。2015年秋冬シーズンの立ち上げ時は1型のみの展開だったが、9年目を迎えた2024年秋冬シーズンには15型までラインナップを拡充。来シーズンはさらに8型を加え、全23型を展開する。暖冬が叫ばれ冬物の買い控えも目立つ昨今、なぜシンプルな手袋が売れているのか。開発の背景と近年の動向について、担当者に話を聞いた。
工場用の軍手から着想、韓国でも人気が沸騰
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テンベアの「GUNTE」コレクションは、2015年秋冬シーズンに登場。軍手の生産工場で、軍手と同じパターン、編み機を用いて作られたウールの手袋1型から始まった。「テンベアは“日常に馴染む道具としてのプロダクト”をコンセプトに、バッグをはじめとした小物を中心に展開しています。軍手も広く知られる道具の一つなので、ファッションアイテムに昇華すれば、普段使いできて面白いのではないかと着目したのが、開発のきっかけです。特徴である本体の色とパイピングの配色は、工場などで実用されている物からヒントを得ました。工場の作業用では、担当場所の用途に合わせて、手首のパイピングの色を変えて見分ける目印にしているそうです。テンベアでは毎年配色を変えて、その時の気分や空気感を反映しています」（担当者）。
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人気の背景について、担当者は「当初は顧客さまを中心に、軍手の手袋というユーモアが面白いと感じてもらえたことがきっかけで人気が出始めました。面白さだけでなく使い心地の良さも評価され、徐々にリピーターのお客さまが増えていきました」とコメント。ローンチから5年目を迎えた2019年頃には、韓国のインフルエンサーが同アイテムを発信したことをきっかけに、韓国内で人気が沸騰。日本国内でも転売屋による買い占めが起きる事態となった。デザインとテンベアらしい柔らかい配色を組み合わせたシンプルなスタイルが若年層を中心に人気を集め、以来、秋冬アイテムの立ち上げ時期である10月に入荷後、冬が本格的な寒さとなる12月を待たずに完売する状況が続いている。
GUNTEは、日本国内の工場で職人の手作業によってひとつひとつ製作しているため、大量に生産することが難しいことから、工場に無理がない範囲で生産数を増やした。シーズン中の追加生産が難しいことから、翌年の秋冬シーズンの入荷を待つ顧客も少なくないため、年々連鎖的に売上が伸長しているという。
安価な価格帯で新規顧客層を取り込む
手に取りやすい価格帯も、人気に火がついた理由として考えられる。ウール素材の最もベーシックなGUNTEは、税込2310円。これまでの顧客層ではなかった10代の購買が目立ち、新規顧客の獲得に繋がっているという。普段使いはもちろん、ホリデーシーズンのギフト需要にも応えることから、今後もさらなる好調を見込む。
2024年秋冬シーズンのアイテムは、すでに完売。発売から10年目を迎える2025年秋冬シーズンでは、スマホ操作がしやすいフィンガーレスタイプ、ミトンタイプ、自転車用の滑り止め付きのGUNTEに加え、同色、同素材を採用したマフラーやニットキャップなどの小物類も用意する。素材は、定番のウールに加え、カシミヤやモヘヤなどをラインナップ。好みに合わせて違った風合いを楽しむことができるという。ブランド設立から20年、アイコンのバッグコレクションに加え、日常にありふれた道具をファッションアイテムに昇華させてきたテンベア。「これからも、機能性だけではなく、遊び心のある“楽しい”プロダクトを追求しながら、商品開発を続けていきます」（担当者）。
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Miki Harigae
茨城県出身。得意の英語を生かし外大に進学するも、幼少期から抱いていたファッション雑誌への憧れから、ライターを志す。大学卒業後、2022年に株式会社レコオーランドに入社。主にスポーツとファッションの領域で記事執筆を担当する。趣味はアイドル鑑賞で、エビ中ファミリー（私立恵比寿中学のファンの総称）歴は10年。週末はライブに握手会に大忙し。
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