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新生「トッズ」は路面電車の倉庫で伝統と革新を表現 ボッテガ出身デザイナーのデビューコレクション

新生「トッズ」は路面電車の倉庫で伝統と革新を表現 ボッテガ出身デザイナーのデビューコレクション

 「トッズ(TOD'S)」は新クリエイティブディレクターのマッテオ?タンブリーニ(Matteo Tamburini)によるデビューシーズンとなる2024年秋冬ウィメンズコレクションをミラノで発表した。

 4年間トッズを率いてきたヴァルター?キアッポーニ(Walter Chiapponi)の後任となったタンブリーニは、1982年イタリア生まれ。「ボッテガ?ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」でトーマス?マイヤー(Tomas Maier)、ダニエル?リー(Daniel Lee)、マチュー?ブレイジー(Matthieu Blazy)の元で経験を積んだ人物だ。

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 会場は歴史ある路面電車の倉庫で、ミラノの街中を巡る路面電車が発着する場所。テーマの「トッズ?イン?モーション」を感じさせる、活気に溢れたショーで新たなスタートを切った。

エレガントなフェイクレイヤード

Image by: TOD'S

 ファーストルックは、ブルーのストライプシャツとブラウンのセンタープレストラウザーのコーディネート。シャツは2枚重ね着したようなフェイクレイヤードで、一体化しているもの。ウエストのベルトは、クラシックカーのバンパーをイメージした意匠が目を引く。クラシックでありながら、ひねりの効いたデザインがこの新生「トッズ」を象徴している。

タイムレスなレザーアウター

Image by: TOD'S

 トッズと言えば、職人技の光るレザーグッズ。ウェアもレザーを扱ったトレンチコートをはじめ、ジャケットのセットアップ、ドレスなどが豊富に登場している。いずれもゆったりとしたリラックス感のあるシルエットで、仕立ての美しさがタイムレスでエレガントな印象を与えている。

斬新なニットアンサンブル

Image by: TOD'S

 今季のキーワードになっているのが、「フォーマルとインフォーマル、伝統と革新の二面性」。ニットカーディガンも2着をレイヤードをしているように見える1枚で、肩がけしたり、好みの位置でボタンを留めたりすることで着方をアレンジできるもの。カシミアやウール、シルクなどの上質な素材を用いており、一見クラシックなデザインでありながら、ギミックが加わっているのが面白い。

コンサバと遊び心の二面性

Image by: TOD'S

 主軸であるレザーグッズもタンブリーニによる新作が豊作だ。アイコンであるモカシンシューズの「ゴンミーニ(Gommino)」はシンプルなメタルバーをあしらったデザイン、フリンジをあしらって遊び心のあるモデルの2種が対照的。今季のコレクションは馬具の鞍(サドル)作りの原理がヒントになっており、サイドベルトが印象的なジョッキー風のロングブーツも目を引いた。

注目の新作バッグ

Image by: FASHIONSNAP(Hiroyuki Ozawa)

 バッグはTシリーズの新作として「ディー アイ バッグ スウィング」がお目見え。柔らかいレザーを使用しているため、ワイドなファスナーを開くとシルエットを変化させることができるもの。ファスナーにベルトをあしらった新作ハンドバッグはランウェイではクラッチのように抱えたり、ハンドバッグとして手提げにしたりと持ち方を提案。またクロスボディのガーメントケースや、首からかけられるストラップ付きのカードケースなど、小物も新鮮だった。

Image by: FASHIONSNAP(Hiroyuki Ozawa)

 トッズが大切にしてきたイタリアらしいタイムレスなエレガンスと職人技を生かしながら、程よいプレイフルなディテールが効いたデビューコレクション。メンズモデルも起用していたが、メンズコレクションは改めて披露が予定されている。タンブリーニによるフレッシュな視点が加わったトッズは好感触だ。

ファッションジャーナリスト

大杉真心

Mami Osugi

文化女子大学(現文化学園大学)でファッションジャーナリズムを専攻、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)でファッションデザインを学ぶ。「WWD JAPAN」記者として海外コレクション、デザイナーズブランド、バッグ&シューズの取材を担当。2019年、フェムテック分野を開拓し、ブランドや起業家を取材。2021年8月に独立後、ファッションとフェムテックを軸に執筆、編集、企画に携わる。2022年4月より文化学園大学非常勤講師。

最終更新日:

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