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調香師 アン?フリッポが語るYSL「リブレ ローニュ」 “いいフレグランス”の条件とは

Image by: Yves Saint Laurent Beauté

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調香師 アン?フリッポが語るYSL「リブレ ローニュ」 “いいフレグランス”の条件とは

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 イヴ?サンローラン?ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」(以下、YSL)の自由の精神を象徴するフレグランス「リブレ(LIBRE)」。官能的なオレンジブロッサムと凛とした佇まいのラベンダーという、相反する香調の調和によって生まれた香りのファミリーに、今年新たに加わった「リブレ ローニュ」は、さらなる革新性で、創造性と洗練を兼ね備えた一品となった。リブレシリーズをカルロス?ベナイムと共に手がけるアン?フリッポ(Anne Flipo)。30年を超えるキャリアの中で培った香りに対する信念や、“いいフレグランス”の話、そして新作リブレ ローニュが持つ魅力を語ってもらった。

YSLの自由を体現するリブレへの情熱

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──YSLのリブレはメンズフレグランスとウィメンズフレグランスの概念を“衝突”させた革新的な香りでした。この香りはレジェンド調香師のひとり、カルロス?ベナイムさんとの共作ですが、以前から交流はあったのでしょうか。

 はい。カルロスとは以前にもいくつかのプロジェクトで仕事をしましたが、実現に至らなかったものもありました。常に彼の仕事には深い敬意を抱いていました。リブレは、私たちが共に大きな成功を収めた最初の作品で、互いに多くの配慮と情熱を注ぎ込みました。まさに真のコラボレーション。それぞれが自分の強みを生かすことができました。

 リブレのクリエイションは、リモートで進められたので、いわばパリとニューヨークという大西洋を挟んだ2人の調香師の物語でもありました。リモートでのコミュニケーションでも、強いつながりと絶え間ない創造的な対話がありました。それは美しい心の出会いのようなもので、とても思い出深い出来事でした。

──アンさんはお気に入りの香料としてオレンジブロッサムを挙げていますよね。リブレでは、カルロスさんがオレンジブロッサムのアコードを手掛けました。香りの印象はどうでしたか?

 オレンジブロッサムは、カルロスと私にとって深い意味を持つ花です。それは私たちの嗅覚記憶を共有するものの一部なのです。リブレでは、オレンジブロッサムが見事なコントラストで表現されています。華やかでありながらフレッシュ。私たちのアプローチ方法には相互補完性があり、それがこの花をさらに高めることを可能にしました。女性らしさ、花々しさ、官能性、そして豊かさ、官能性をしっかり感じることのできるハートノートを形作りました。

 リブレは私にとって、お気に入りの花を再訪し、その比類なき官能性を新しく力強い方法で表現する機会となりました。

香りをシリーズ化するための“ひねり”の重要性

──リブレは現在さまざまなバリエーションを持っていますよね。同じファミリーから新しいフレグランスを作るというのは、調香師にどんな試練を与えるのでしょうか。

 主な課題は、オリジナルの香りのアイデンティティに忠実でありながら、コレクションに新しく意味のある何かをもたらすことです。それぞれのバリエーションは、リブレの個性、そのDNAを守りながら、香りの異なる側面を探求しなければなりません。それは、正しいバランスを見つけることです。イヴ?サンローランの世界観からインスピレーションを得て、中心となる特徴を尊重しつつ、同時に、新しく、かつシリーズの中でふさわしいと感じるようなひねりを加えることです。

──では、今年新たに登場したリブレ ローニュの新しさや“ひねり”はどんなところですか?

 リブレ ローニュを真に革新的にしているのは、そのウォーターベースのフォーミュラです。アルコールがないと拡散性が変化してしまうため、香りの構造を完全に再調整する必要がありました。フレッシュさと香りの持続性を保つために、シトラスとオレンジブロッサムを、ふんだんに配合しました。それは技術的な挑戦でもあったのです。水の中では、香りの成分の反応が異なる場合もあるのですが、配合の結果は私たちを驚かせました。完成した香りを閉じ込めたフォーミュラは、非常に力強く、官能的で、信じられないほど夢中になるような香りでした。機能性に関して、ウォーターベースでも蒸発スピードが速すぎない、大胆で、心を魅了し、存在感のある香りを保つ必要か?ありましたが、パフォーマンスや快適さを損うことはありませんでした。

──リブレ ローニュにおけるラベンダーアコード、オレンジブロッサムアコードは、オリジナルのリブレとどんな点で異なるのでしょうか。

 リブレ ローニュのラベンダーは、生き生きと、香りのフレッシュさを強めました。オレンジブロッサムも増幅され、再解釈され、これまで以上に咲き誇り、輝いています。リブレ シリーズで初めて、モロッコのYSL ウリカ コミュニティ ガーデン産の特別なオレンジブロッサムを使用したんです。この成分は、シトラス系のフレッシュさとインドールが演出する官能的な深みの両方を引き出し、光り輝く、やみつきになるようなフローラル ハートを香りに与えています。

Image by: Yves Saint Laurent Beauté

YSL初のアルコール(エタノール)フリーフォーミュラ。アン?フリッホ?とカルロス?ヘ?ナイムか?2年以上の歳月をかけ、 研究所と共に60以上のフォーミュラをテストして誕生したリフ?レの傑作。果汁たっふ?りのシトラスや情熱的なオレンシ?フ?ロッサム、ラヘ?ンタ?ーを軸に、地中海の太陽の光か?降り注く?かのような、みずみずしく、肌に溶け合うシトラスの香り。

──リブレ ローニュは"みずみずしさ"や"フレッシュさ"が際立ちますが、調香の際、インスピレーションとなった場所や人などはありますか?

 この香りは、地中海を連想させます。ここはリブレの主要な成分である、モロッコ産のオレンジブロッサム、プロヴァンス産のラベンダー、イタリア産のシトラスの産地でもあります。すでにフレグランスに存在する要素から着想を得て、新しく、より明るく、輝きのある側面に焦点を当てました。

調香師が考える、“いいフレグランス”とは

──アンさんが生み出す香水は、女性が持つ多面的なセクシーさを繊細に表現していると感じます。自分の調香の特徴や得意分野を分析するとしたらどんなところですか?

 私の作品は、常に美しく香り、深く共鳴することを目指しています。まず、消費者の視点から香りの本質を想像することから始めます。どのようにまとい、どのように感じ、どのように記憶に残るのか、ということ。私の強みのひとつは、「コントラスト(対比)を扱うこと」だと思っています。意識的に対照的なノートを選び、多面的な構成を組み立てているんです。それが時間の経過と香りの変化を生み出し、さまざまな側面を楽しんでいただける香りへとつながると考えています。

──調香師の視点で、"いいフレグランス"とはどういうものでしょうか。

 私が思う良い香りとは、真に唯一無二の香りです。ほかに類を見ない、いつまでも記憶に残る香りです。明確なシグネチャー、つまり、誰にでもわかる個性がなければなりません。技術的な視点で考えると、“香りの広がりと持続性”が不可欠ですね。香りは美しい余韻を残すべきです。それから、私はコントラストも大切にしています。例えば、フレッシュで魅力的なトップノートで始まり、香りが深まるにつれて深みと力強さが現れるような香りです。

──アンさんは大御所のひとり、ミッシェル?アルメラック(Michel Almairac)さんから教えを受けていますよね。どんなことを学びましたか?困難はあったのでしょうか。

 私は、ミッシェルの研修生調香師で、彼は私に調香の方法を教えてくれました。彼の精密さと、短くインパクトのあるフォーミュラを作る才能に感嘆しています。私たちは2つの会社で10年以上一緒に働き、私が作ったすべての試作品を彼が試してくれたんです。その親密さが、今の私の仕事につながっていると思います。

 そのように親密な関係を築くことができましたが、すべての研修生には、自分の声を見つけなければならない時が来ます。私にとってミッシェルと最も困難だった瞬間のひとつは、彼から独立し、自分の個性を築き始めることを決意した時でした。

──アンさんは2023年にThe fragrance foundation(フレグランス業界の権威「フレグランス財団」)から「ライフタイム?アチーブメント?パフューマー賞」を受賞しています。調香師としての30年のキャリアを振り返って思うことはありますか?

 まず頭に浮かぶのは、一緒に仕事をする機会に恵まれた素晴らしい人たちのことです。フレグランスハウス内でも、素敵なブランドとの仕事でも。共に過ごした魔法のような時間、共に歩んだ道のり、そして素晴らしい香料成分を発見するという特権を思い返します。すべての出会い、すべての試行錯誤、すべての旅が、私の道を形作ってきました。パフューマーという、自分が情熱を注げる仕事に、創造性、情熱、そして感情に突き動かされて従事できたことを、心から幸運に思います。

──IFFでマスターパフューマーの立場として、後輩育成の役目もあるかと思います。これからの時代の調香師に必要な視点やスキルは何だと思いますか?

 最も重要なことは、信念を持つことだと思います。自分のアイデア、直感、そして創造的なヴィジョンに対する信念です。自分が創造しているものを信じなければならない。ですが、その信念は努力と一致していなければなりません。創造性だけでは十分ではありません。献身、粘り強さ、そしてアイデアが実現するまで磨き続ける勇気が必要です。

■アン?フリッポ:フランス?ピカルディ生まれ。調香師教育の最高峰イジプカ(ISIPCA)を卒業し、ミッシェル?アルメラックのアシスタントに。2004年に大手香料メーカーIFFに入社。マスター?パフューマーとして、フレグランスメゾンやラグジュアリーブランドなど、さまざまな作品を手がける。

最終更新日:

■イヴ?サンローラン?ボーテ:公式オンライン ブティック

編集:平原麻菜実

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